股関節痛の症例

股関節の痛みもつらい症状のひとつです。
出産時に先天性の股関節脱臼があったり、股関節と骨盤をジョイントしている関節部分が臼蓋形成不全だったりと先天的な要因が大人になって痛みへとつながっている方も多いです。

でも施術とともに歩き方や身体の使い方によって痛みを和らげたり改善へと向かわせることも可能になってきます。

症例をご覧いただき、ご自分の症状と重ね合わせて考えていただければと思います。

問診
「二か月半ほど前に子供と公園に行ったときに左足を内側に捻った状態でしゃがんだ時に違和感が出てそれ以来なんか不調で鼠径部のところがつっぱってる感じで痛みもあるんです。それに伴って、左の頚部から肩にかけても張ってる感じで首を右に回旋させると左の首から肩にかけて張り感が出ていて首が回らないんです。」とのことでご来院です。

検査
当院では足元から上方にかけて身体を診ていきます！

（写真1枚目）足部後方から下腿部にかけてを診ていきます。

左右共に黄緑線で示す下腿部から踵への中心線がアキレス腱のところで曲がるのが確認できます。左右を比べると右足の方が崩れて内くるぶしが内方に変位しています。この状態は回内足と言って足部の安定感の欠如がわかります。

バランスのテストをすると不調な左側より右側の方がバランスが取れず安定感がない状態でした。

このことから言えるのは、右足の安定感欠如により左の方で安定感を取ろうとして負荷がかかっているということです。

それが公園でしゃがんだ時に過負荷がかかり違和感、不調につながったのではないかと推察します。

（写真2枚目）患者さんの全身写真では頚部左から肩にかけての不調の説明になります。

右足が回内足になると、
右下腿部内旋→右大腿部内旋→右骨盤前弯→上半身左回旋
そして
右肩が下がり、頚部が右へ倒れます。
結果、頚部左から肩にかけての張り感が生じます。

身体の全体像を診て足部の崩れから結果的に頚部の方に影響を与えてしまったのではないかという見立てをしました。

施術とセルフケア
施術は1回目の施術で左股関節の違和感は改善されました。
左頚部から肩にかけての張り感の方が残っていましたが頚部を右回旋した時の可動域制限は改善。2回目の施術で左股関節、左肩回りともに改善。

初診時から2回目の施術までの間はセルフケアとして足部安定感を得るための自宅でできる簡単なトレーニングをご指導させていただきました。

（写真3枚目）オレンジ色の線が足の３つあるアーチのひとつ外側アーチを示しています。
このアーチを作ってあげると足部の安定感が増します。
ご自宅で簡単なセルフケアとして床にペットボトルの蓋を置きこの外側アーチの頂点にあて踏んでいただくトレーニングです。

この自宅でのセルフケアが施術効果を持続させ不調改善と再発予防に繋がります。